TEST RIDE

[試乗記]

サーキット生まれは伊達ではない!

キャデラックCTS-Vクーペ (CADILLAC CTS-V)

歴代キャデラック随一のハイパフォーマンス

エンジンを始動させブリッピングを入れると「ファン、ファン」と軽く吹け上がる6.2リッターV8スーパーチャージドエンジン。これまでのアメ車とは異なる別次元での走りが可能なクーぺに試乗した。

更新日:2013.02.26

文/石山英次 写真/田中享(Tanaka Susumu)

取材協力/ゼネラルモーターズジャパン TEL 0120-711-276 [ホームページ]

ステルス戦闘機のようなアグレッシブさ

 首都高速用賀ランプのETCゲートを抜けて右足に力を込めると、285/35R19インチのミシュランパイロットスーパースポーツは、一瞬悲鳴を上げた。が、その後は何事もなかったように一気にフル加速。564psを発生させる6.2リッターV8スーパーチャージドエンジンの最大トルクは76.1kg-m。漆黒のキャデラックCTS-Vは、離陸するジェット機のような猛烈な勢いで追い越し車線を突っ走る!

 このキャデラックCTS-Vとは、2007年にフルモデルチェンジを受けた「CTS」に、2009年1月から追加された最強バージョンのこと。アグレッシブなフロントマスク、レーシーなメッシュスポークホイール、スーパーチャージャーを収めるためにマッシブに盛り上がったボンネットなど、走りを主張したスタイルが印象的。まるでステルス戦闘機のようなアグレッシブさだ。

 人によっては(とくにメルセデス、BMWオーナーは)、「子供っぽい」と言う方がいるそうだが、筆者はそうは思わない。たしかに分かりやすい主張であるとは思うが、街中を走っているCTS-Vを何度か見たが、その都度オーラを感じたし、ひと目で「凄み」が伝わってくる。かといってアフターメーカーのエアロを装着したようなアンバランスさは微塵もない。このスタイルやオーラに、かつてのイメージ(厳粛なキャデラック)は結びつかないが、新世代をアピールするには相応しいスタイルだと思う。

 個人的には走り去るリアスタイルがステキだと思う。エレガントさと威圧感を同時に兼ね備えリアスタイルは他車にはない個性の塊だと思うし、直線主体のデザインを上手く組み合わせていると思っている。

 乗り込んで見まわしたインテリアが、これまたかつてのアメ車っぽくはぜんぜんない。非常にタイトな空間を演出しており、かなりの質感である。黒光りするセンターコンソールや洗練された配置のオーディオ/空調の操作スイッチ、ダッシュボードから上にせり上がるカーナビなどは、高級車のトレンドを見事に踏襲している。

 レカロ製シートに体をしっかりホールドされてエンジンスタート。スウェード調(マイクロファイバー製)のステアリングホイールの手触りが非常にいい。タイトな空間と相まって、ちょっとしたレーシングカーのような雰囲気が味わえる。

 それでも街中を走れば、まるで一般車と同じように快適であり、運転席からの視界も悪くなく、逆に思った以上に小さく感じる造りに感心する。このタイトな空間にさえ慣れれば、毎日の足としてまったく不都合なく使えるだろう。

 余談だが足回りに使用されている可変減衰力制御の「マグネティックライドコントロール」は「ツーリング」と「スポーツ」がチョイスできるが、一般道では「ツーリング」で十分であると思った。

<スペック>
全長(mm) 4,800
全幅(mm) 1,900
全高(mm) 1,420
ホイールベース(mm) 2,880
トレッド(前)(mm) 1,570
トレッド(後)(mm) 1,595
最低地上高(mm) 145
最高出力(ps/rpm) 564/6,100
最大トルク(kg-m/pm) 76.1/3,800
車両重量(kg) 1,940〈1,960〉

質感の高いインテリアはこれまでのアメ車のように広々としたものではない。至極タイトであり、スウェード調の小径ステアリングは手の平に吸い付くような感触。

サーキットユースを加味したであろうレカロ社製のバケットシートのホールド性も特筆もの。

エレガントさと威圧感を同時に兼ね備えたこのデカイお尻がたまらなくステキ。

別次元のドライビングが可能

 このCTS-VにはMTも当然ながら存在するが、正規で輸入されているディーラー車は6速AT仕様のみとなる。ステアリング裏には、指先だけで変速可能な「ハイドラマチックトランスミッション」が装備されているが、一般道では「D」レンジのみでまったく問題ない。変速も滑らかだしトルクが豊富なので、シフトを動かす必要性すら感じない。

 ということで、冒頭の一節になる。そのまま高速に乗り加速体験をしてきたのだ。

 で、料金所過ぎてから前が空いたのを見計らってアクセルを開けると、ケツに火がついたかのようなロケット加速! ジェットコースターに乗って加速時に一瞬息が詰まるというか、呼吸できない状態を思い浮かべて欲しい、そんなような状態に見舞われる。

 そしてこれだけの物体が一瞬にして瞬間移動のごくとに突っ走り、あっという間にレブリミットにブチ当たる。ここまでの吹け上がりは、正直筆者の運動神経を遥かに上回っていた…。というか期待以上の加速である。高速道路だと、前車を追い抜くのはいとも容易く、逆に理性を抑えるのに必至である。

 その際の足腰は、これまでの常識を覆すかのごとくしなやかかつ硬質なもので、直線や緩やかなコーナーを走っている限りはどんな状況(速度)でも走り切れる、と思わせるほど安定感が高い。少なくとも筆者みたいな一般的なドライバーには、限りない安心感を与えてくれる(この際のマグネティックライドコントロールは「スポーツ」)。

 一般道を走っている限りでは「ツーリング」で十分だと思っていたが、高速道路での「スポーツ」の威力は限りなく高い。そして歯切れの良い「ハイドラマチックトランスミッション」もかなりの武器なる。

 ブレーキにはフロント6ポッド、リア4ポッドのブレンボ社製ブレーキが装着されているが、こちらの安心感もかなり高い。これまた一般レベルのドライバーがちょっと無理をするくらいにおいては、フェードさせることすら難しい。そのくらいの高レベルである。

 ニュルブルクリンクという難所コースを持ったサーキットで鍛えた足腰というのは伊達ではなく、これまでのアメ車感覚とは別次元のドライビングが可能なマシンである。CTSを買うならば、絶対に「Vシリーズ」がいいし、これをベースにチューンすれば、それこそAMGやMも真っ青なマシンが容易に造れるだろうと想像する。

<関連情報>
>> キャデラックCTS-Vカスタムプロジェクトを見る

ミシュランと共同開発したというパイロットスーパースポーツ。フロント255/40R19、リア285/35R19インチ。ホイール内にはブレンボ製ブレーキを備える。

小型のリアスポイラーにLEDの灯火類を収める。

センターのツインマフラーからは、アイドリングから野太いサウンドを響かせる。専用設計で片側80φ以上という極太ものだ。

前を行く4thカマロをあっさり追い抜いた? その加速力はハンパない。

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