TEST RIDE

[試乗記]

フォード復刻物語、ブロンコにてついに完結

2021 フォードブロンコ 2ドア/4ドア

Fトラックのタフさとマスタングのパフォーマンス精神を継ぐSUV

出る出ると言われ続けて5年。最後の最後まで「本当に出るのか」と信用できなかったブロンコだが、ついにデビューした。

更新日:2020.07.15

文/石山英次 写真/フォードモーター

約20年にわたり続いたフォード復刻物語はこれにて終了する

 2000年前半から始まったフォードの復刻物語。フォードGT、サンダーバード、マスタングに続き予告されていたブロンコが現地時間13日に発表された。

 2015年にティーザー情報が出されていたブロンコだが、デビューまでに約5年かかり、実際に発表されたブロンコには想像以上のラインナップが存在していた。ブロンコ2ドア、4ドアにブロンコスポーツである(ブロンコスポーツに関しては後日改めて報告する)。

 まずデザインであるが、ベースとなっているは1966年型で丸目ヘッドライトを有する意匠。旧型と比較すればわかるが、誰が見ても復刻モデルと認識できる一方で、全体の雰囲気はイマドキ人気のSUV風情。ジムニーやFJクルーザー、ラングラーといったモデルたちが絶大なる人気を誇っているが、それらモデルたちの良い面をすべて詰め込んだオフロードマシンといった感じ。

 それにしても前後オーバーハングの短さは驚異的だ。ボディサイズは、2ドアで全長×全高×全幅:4412×1826×1928ミリ、ホイールベース:2550ミリ、4ドアで全長×全高×全幅:4810×1854×1928ミリ、ホイールベース:2949ミリであり、同じフォードで言えばエクスプローラーより一回り小さいサイズ感であり、ミッドサイズSUVにカテゴライズされる。

 このサイズ感に組み合わされるエンジンは2機種。2.3リッター直4エコブーストターボで270hp、最大トルク310lb-ftを発生させるスタンダードエンジンと2.7リッターV6エコブーストツインターボで310hp、最大トルク400lb-ftを発生させる上級エンジンである。




 組み合わされるミッションも2種類。7速MTと10速ATであり、7速MTは2.3リッター直4エコブーストターボのみに採用可能であり、10速ATは両エンジンともに採用可能となっている。

■2.3リッター直4エコブーストターボ:270hp、最大トルク310lb-ft 7速MT or 10速AT
■2.7リッターV6エコブーストツインターボ:310hp、最大トルク400lb-ft 10速AT

 フォード曰く「ブロンコはFトラックのタフさとマスタングのパフォーマンス精神で構築されている」ということだが、それすなわちハイパワーなエンジンとオフロード性能ということを意味しており、足回りはフロント独立懸架、リア5リンクという構成。

 前後共にハイパフォーマンスオフロードスタビリティサスペンション+ビルシュタインのポジションセンシティブダンパーを備え、地上高やサスペンショントラベル、アプローチアングルといったいわゆるオフの性能にかかわる部分には最大限こだわり製作されているという。

復刻のベースとなっているのが1966年型。奥に見えるのが新型ブロンコの2ドア。ジムニーやFJクルーザーのような丸目ヘッドライトのSUVがまた1台、市場に現れることになる。

 一方インテリアは、初代ブロンコをテーマにデザインされ、各種メーターやゲージ類の視認性が良く、使用されているマテリアルにはアウトドアを意識した素材を使用し、一部のモデルには水洗い可能なゴム引きの床が使用されているなど、本格派アウトドアマシンとしての機能性をも持たせている。

 なおセンターコンソールには12インチのタッチスクリーン(8インチもあり)が備えられ、最新のインフォテインメントシステム「Sync 4」を搭載している。

 このブロンコには7種類のモデルが存在し(BASE、Big Bend、Black Diamond、Outer Banks、Wildtrak、Badlands、First Edition)、ボディカラーが11色(各モデルによりチョイスできないカラーあり)、さまざまなアクセサリーパーツが豊富に存在するということであり、生産は来年初頭に始まり、春からディーラーに並ぶということである。ちなみに、2ドアのベースモデルの価格は2万9995ドルからとなっている。

7速MTは2.3リッター直4エコブーストターボのみに採用可能となっている。

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