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FORD MUSTANG GT500E ELEANOR

マスタング・エレノアは走りも秀逸?

現行エレノアは見た目だけのハリボテではありません!

現行型のフォード・マスタング GT500E エレノアの紹介記事を掲載して以降、「スタイルが良いのは分かったけど、走りはどうなの?」とか「ノーマルと違うのは外観だけですか?」といった問合せが何件かあったので、ここでは現行エレノアの走りや動力性能部分について少し補足します。ま、結論から言うと足回りはノーマルよりもワンランク上なんですけどね(笑)。ま、詳しくは本文で。

更新日:2011.09.28

文/田中享(Tanaka Susumu) 写真/佐藤安孝(Sato Yasutaka/バーナーイメージズ)

取材協力/ASDN事務局 TEL 052-408-0620 [ホームページ] [詳細情報]

ローダウン&ワイドタイヤの効果は絶大?



 現行マスタング・エレノアのスタンダードな足回りは、ASDNオリジナルダウンサス+20インチAWとなっている。ASDNのダウンサスは、ノーマルサスに比べフロントで3.3cm、リアで約3.8cmほど車高が下がるように設定されているだけでなく、バネレートも若干高めに設定されている。また、エレノア専用の20インチホイールはフロント8.5J、リア10Jで、組み合わされるタイヤはフロントが255/35/20、リアが285/30/20。この低くなった車高とワイド&扁平率を上げたタイヤの組み合わせの効果は絶大で、エレノアはノーマルのマスタングよりもはるかに安定したコーナーリング性能を獲得している。つまり、エレノアのロー&ワイドなスタイルは、決して見た目だけの効果を狙ったものではないのだ。

ASDNオリジナルのダウンサスはノーマル比でフロントで3.3cm、リアで約3.8cmほど車高を下げることが可能。一般的なローダウンサスを装着すると若干リア上がりのスタイルになるが、このサスの場合は前後で水平になるように調整されている。バネレートはサリーン・マスタングと同程度に調整しているとのこと。

ノーマルよりは少し固いが乗り心地自体は悪くない?

 エレノアの足回りは『走り(主にコーナーリング性能)』という観点で言えば確実にノーマルよりも高性能である。ただし、唯一『乗り心地』という観点で言えばノーマルの方が上。もちろん乗り心地に対する考え方は人それぞれ違うので、中にはエレノアの方が好みだという人もいるとは思う。しかし、ホイール径を大きくしてノーマルよりも薄くてワイドなタイヤを履いているだけに、どうしても路面の凹凸を敏感に拾ってしまうし、ノーマルよりも多少はゴツゴツした感じがするのは否めない。ASDNオリジナルのダウンサス自体はそれほど『固い』という感じは受けなかったので、この乗り心地に関する感覚は多分にタイヤによるところが大きいと思う。
 もっとも、これはあくまでも『ノーマルと比べれば』というレベルの話であって、エレノアの乗り心地が特別に悪いという話ではない。また、そもそもスタイルや走行性能を追求するということは、その分何処かに弊害が出るのは当然だし、その辺はコンプリートカーやチューニングカー、カスタムカーといったタイプのクルマ達の宿命とも言えるだろう。


クルマの乗り心地に最も影響を及ぼすのがタイヤである。エレノアの標準タイヤはフロントが255/35/20、リアが285/30/20とかなりワイド&ローに設定されているので、ノーマルよりもやや固めの乗り心地となっている。

エレノアの『ロワーリングアップグレードPKG1』として用意されているテイン製複筒式車高調整サスペンションキットは16段階で伸縮同時減衰力調整ができる。

エレノアの足回りはアップグレードが可能!



 現行エレノアのベーシックな足回りはASDNオリジナルのダウンサス+ノーマルショックの組み合わせだが、ユーザーが希望すればアップグレードすることも可能。アップグレードは好みに応じて2タイプが用意されており、『ロワーリングアップグレードPKG1』が16段伸縮同時減衰力調整機構付きのテイン(TEIN)製複筒式車高調整サスペンションキット。『ロワーリングアップグレードPKG2』が30段階減衰力調整機能付きのペダース(PEDDERS)製エクストリームA車高調セットとなっている。
 テインの方もペダースの方も、いずれも細かく減衰力調整ができるので、街乗りからサーキット走行まで幅広い用途に対応しているが、乗り心地やコーナーリング時のフィーリングは若干違うので、どちらをチョイスするかはユーザーの好みの問題となる。
 現行エレノアの足回りはASDNオリジナルのダウンサス+ノーマルショックの組み合わせでも十分にスポーティではあるが、吸排気系をファインチューンしたりといったパフォーマンスアップまで検討している方は、アップグレードキットの装着を検討してもいいだろう。

 なお、マスタングのリアサスペンション形式は現行モデルでも独立タイプではなくリジッドアクスルなので、ロワーリングキットで車高を下げた場合、ホーシングの左右にズレが生じてしまい、リアタイヤの出ズラも左右で違ってしまうという弊害が発生する。したがって、ある程度本気で『走り』を考えているユーザーは、エレノアを購入する場合には、購入時にノーマルの固定式のパンハードロッドから調整式のASDNオリジナルの『アジャスタブル・パンハード・バー』に交換することをオススメする。

 >> マスタングGT500E エレノア 第一回へ

エレノアの『ロワーリングアップグレードPKG2』として用意されているペダース製エクストリームA車高調セットは30段階で減衰力調整ができる。日本ではまだ知名度は低いが、ペダースはサリーンやSMSの車両制作にも使用されているオーストラリアの大手メーカーだ。

ASDNオリジナルの『アジャスタブル・パンハード・バー』を装着することで、リジッドアクスルの左右のズレを調整することができる。

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