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エコブーストの『エコ』は『ecology』&『economy』?

フォード エクスプローラー (Ford Explorer) 徹底検証 2

地球にも財布にも優しい新時代のアメリカンSUV

現行型フォード エクスプローラーの売筋グレード『XLT エコブースト』はどんなクルマなのか?また、どんな人におすすめなのか?を生粋のアメ車ファンの目線で再検証してみた。

更新日:2012.06.11

文/田中享(Tanaka Susumu) 写真/田中享(Tanaka Susumu)

取材協力/フォード新滋賀 TEL 0749-28-1149 [ホームページ] [詳細情報]

実際に試乗してみるまでは全く期待していなかったのだが

 ここでは現行フォード・エクスプローラーの目玉商品とも言えるXLTエコブーストについて、一人のアメ車ファンとして再検証してみたいと思う。カタログ的なモデルガイドやスタンダードな試乗記は、既に様々な媒体に掲載されているし、アメ車ワールドでも何度か掲載しているので、そちらを参照してもらいたい。

 >> 過去記事→新型エクスプローラー XLT エコブースト
 >> 過去記事→フォードエクスプローラー 直4エコブースト

 筆者がXLTエコブーストを初体験したのは、今年の2月に行われたフォード・ジャパンの試乗会だった。2リッター直4+ターボのXLTエコブーストは、既に各所で大きな話題になっていたが、筆者的には正直言ってあまり期待はしていなかった。「アメリカンSUVの中ではミッドサイズに分類されるエクスプローラーとはいえ、さすがに2リッターは無理でしょ?」と思っていたからである。『無理』というのは主に動力性能の部分。別に筆者はV8至上主義というわけではないが、先代モデルよりも大型化したボディサイズと2トンを越える重量を考えると「いくらターボで武装しても、2リッターじゃパワー不足は否めないだろう」と考えていたのである。
 そしてこの予想は会場で試乗車の実物を目の当たりにした段階で一層強くなった。初めて目にした現行エクスプローラーは思っていた以上に大きく、エクスペディション並みにデカく見えたし、ドライバーズシートに座ってドアを締めた際のガッチリ感なども明らかに先代モデル以上だったからである。
 しかし、走行前の予想が見当違いであったことは走り出してすぐに発覚した。XLTエコブーストに搭載されたフォードの次世代エンジンは、驚くほどパワフルだったのだ。

現行エクスプローラーのボディサイズは、3モデル共通で全長×全幅×全高が5,020×2,000×1,805(mm)。先代が4,930×1,870×1,835なので、一回りほど大きくなったわけだが、見た目や乗った感じでは二回りくらいサイズアップしたような印象を受ける。車重はXLTエコブーストが2,020kg。V6のXLTが2,130kg、上級グレードのリミテッドが2,170kg。

ドライバーズシートに座って前方を見ると、外から見た時以上に車両が大きく感じる。

アメリカンSUVに慣れている人ほど違和感を感じる?

 「えっ?何これ?」というのが、XLTエコブーストに乗って走り始めてすぐの筆者の感想。言葉は悪いが『違和感』といってもいいものであった。
 エンジンをかけた際のフィーリングは慣れ親しんだ大排気量V型エンジンとは異なる軽い感じだった。国産エンジンとは少し違うが、「なるほど直4だ」という感じ。当然ながら、一昔前のアメリカンSUVのような音や振動、重厚感みたいなものは一切感じられなかったし、この時点での筆者の予想は「初期のハマーH3みたいな走りかな?」というものだった。これはつまり「車格に対してエンジンが非力な分、最初は少し重く感じるけど、回転が上がるにしたがって不満はそれほど感じなくなる」といった意味である。
 ところが、そんな筆者の予想に反し、XLTエコブーストはアクセルを軽く踏んだ瞬間にスッと動き出し、公道に出てからも全くストレスなくスルスルと加速していったのである。この時に感じた感覚は、アメ車に限らず、今までに乗ったどのクルマとも違うものだった。

 XLTエコブーストの車重は2,020kg。このサイズのSUVにしては確かに軽いが、同クラスのセダンやクーペよりは圧倒的に重い。この試乗の際には筆者ともう1人、計2人分の体重約140kgにカメラ機材がプラスされていたので、総重量は2,200kg近かったと思う。それだけの重量を僅か2リッターのエンジンで動かす事を考えれば、鈍重な走りをイメージしても無理ないだろう。しかし、そんなイメージとは裏腹に、XLTエコブーストは実に軽やかに加速していくのである。
 カタログ値だけでなく、フロント回りの軽さやエンジンの回転フィールから、排気量が小さいことははっきり分かる。経験的な感覚からすれば、どう考えてもボディサイズとエンジンがミスマッチなはずなのに、実際には何の問題もなくクルマは加速していく。これが先に書いた『違和感』となって筆者を混乱させたのである。
 もっとも、先の不思議な感覚は、ステージを一般道から高速道路に変えた段階で多少は和らいだ。XLTエコブーストは、高速道路でも全く不満を感じない、どころかかなり俊敏な加速を見せたのだが、高速走行中にはブーストが利いてる感じや回転を上げながらパワーを上げていくフィーリングがある程度明確に感じ取れたからである。

 XLTエコブーストの試乗において筆者が感じた違和感は、日常的に大排気量のアメリカンSUVに乗り慣れている上に、仕事柄様々なSUVに試乗する機会が多い筆者だからこそ感じただけのものかもしれない。事実、一緒に取材した他のスタッフは「いわゆるアメ車濃度は低いけど、パワーもあるしボディもしっかりしてるし、凄く良いじゃないですか!」と手放しで褒めていた。ただ、長年アメリカンSUVを乗り継いでいる様な生粋のアメ車ファンの中には、4WDではないFFの足回りからくる走行フィールも含め、筆者が感じたような不思議な感覚を味わう人もいるかもしれない。もちろん、それは決して悪い意味ではなく「新鮮な驚き」といった意味である。

XLTエコブーストに搭載される2リッター直列4気筒直噴式インタークーラー付ターボエンジンのスペックは、243ps/5,500rpm、37.3kg-m/3,000rpm。3.5リッターV6エンジンと比べると、パワーで51ps劣るがトルクは2.1kg-m勝っている。最大パワー、最大トルクともに、その発生回転数がV6よりも低回転なのは驚きだ。

インタークーラー付ターボとはいえ、スポーツカーではないので、その味付は至ってマイルド。エキゾーストノートも大きくはないが高回転まで回していくとそれらしい排気音となる。

タイヤ&ホイールのサイズは全グレード共通で前後ともP245/60R18。筆者的には見た目も性能面もベストサイズだと思う。ドレスアップなどで大径に交換するのもいいが、外径サイズ云々ではなく、タイヤ&ホイールの重量は重くしない方が良いだろう。

ランニングコストの安さが最大の魅力?

 XLTエコブーストを解説する場合、2リッター+ターボというエンジンのインパクトが強過ぎてあまり語られることがないのだが、実は同じ『XLT』でもV6とエコブーストではエンジン&駆動方式以外でも装備が若干異なっている。リミテッドも含めたモデルごとの装備の違いやオプションについては、この連載企画の最後に改めて解説するので、ここではXLTとXLTエコブーストの違いのみを簡単に解説する。
 まず、第一の違いはシート。XLTはファブリック(クロス)でXLTエコブーストはレザーとなっている。第二の違いはシートヒーター。XLTにシートヒーターの設定はないが、XLTエコブーストには標準装備されている。第三の違いはボディカラー。まずXLTの黒はただのブラックだが、XLTエコブーストはタキシードブラック。白はXLTのホワイトスェード(ソリッド)に対して、XLTエコブーストはホワイトプラチナム(パール)となる(注:ボディカラーの設定については年式によっても違うので、詳細はディーラーに要確認)。

 XLTとXLTエコブーストは車両本体価格が同じなので、装備だけ見ればXLTエコブーストの方がお得に感じるかもしれない。しかし、リミテッドと同じ3.5リッターV6&4WDのXLTに対してXLTエコブーストは2リッター直4&FF(2WD)。このエンジンと駆動方式の違いは装備の違い以上に大きいので、結局のところXLTにするか?XLTエコブーストにするか?は、装備云々の問題ではなく、大排気量(というほどでもないが)V6にするか?最新の直4直噴インタークーラー+ターボにするか?という意味になるだろう。

 ちなみに、V6か直4か?という意味では、販売の現場において購入希望者が最も重要視するのは、実は動力性能云ではなく自動車税を中心としたランニングコストのようだ。筆者も含め、長年に渡って大排気量V8エンジン搭載車を愛車にしているアメ車ファンの場合、その辺の経済感覚が麻痺してしまっていて気付かないのだが(笑)、XLTの5万8,000円に対してXLTエコブーストの自動車税は3万9,500円。その差2万円弱。さらに燃費についてもXLTよりXLTエコブーストの方が明らかに良いので、自動車税と燃料代を合わせると、年間のランニングコストにはかなりの差が出ることになる。とくにXLTエコブーストのように、パフォーマンス的にもV6モデルと遜色ないということになれば、「2リッターで十分」どころか「2リッターの方が断然良い!」と考える購買者が多いというのも頷ける話である。
 もちろん購入希望者の中には「SUVはやっぱり4WDじゃないと」といったイメージをお持ちの方も多いと思うのだが、そんな方に対してディーラーの営業マンは「お客様がアウトドアを趣味にされているのならともかく、現在の日本でどうしても4駆が必要なシチュエーションって年にどれくらいありますか?」と切り返すらしい(笑)。

 散発的な本文になってしまったので少し読みづらくなってしまったが、とりあえずこれまでのモデルガイドや試乗記で書き足らなかった部分を補足しつつ、筆者の個人的な見解で現行のフォード・エクスプローラー・XLTエコブーストを解説してみた。この次は最上級モデルのリミテッドを解説し、最後に各モデルを比較しつつ販売現場のプロの意見を紹介してみたいと思う。

 >> フォード エクスプローラー 徹底検証 1
 >> フォード エクスプローラー 徹底検証 3


XLTエコブーストのシートはレザーとなる。カラーはライトストーンの一種類。ちなみにリミテッドのレザーはチャコールブラックで、ベンチレーション用のパンチが入っている。

空調関連機能やオーディオ関連機能を操作する『MyFord Touch』と呼ばれる8インチのタッチパネル式カラー液晶ディスプレイは全モデル共通。オーディオシステムはXLTは8スピーカー190ワットで、リミテッドは12スピーカー390ワット。スイッチ類もXLTとリミテッドでは異なっている。

セカンドシートはリクライニング機構を備えた60対40の分割可倒式。サードシートは50対50の分割可倒式となっている。実用性が高く、利便性に富んだ3列シートの使い勝手の良さはエクスプローラーならではだろう。

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