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カム交換とエンジンオーバーホール

ダッジ ダコタ (DODGE DAKOTA) リフレッシュ vol.1

20万キロ走行のダコタがリフレッシュ

すでに相当の距離数を走っている98年型ダッジダコタをリフレッシュ。今回は主にエンジンのオーバーホールを行い、さらにカム交換のチューニングも同時に行う。アメ車ファンならずとも注目の作業である。

更新日:2013.02.01

文/石山英次 写真/石山英次

取材協力/ジャパンレーストラックトレンズ TEL 0356613836 [ホームページ] [詳細情報]

すでに10年の月日を過ごしたダコタ

 このダッジダコタは筆者が3年ちょい前に取材撮影したものである。98年型ダコタ3.9リッターV6エンジン搭載車。この時点でもかなりの距離数を走っており、またへダースやマフラーを換え、点火系にMSDを入れる等、オーナーさんがコツコツと手を入れてきた、まさに愛情溢れる1台だった。

 当時の印象は、V6エンジン搭載ということで、V8ほどのパワー感はないが、持てるパワーが使い切れるストリートならではの仕上がりに感心したものである。ちなみに、装着されていたワンオフのマフラーからは、ヤケに野太いサウンドを轟かせ、また引き締まった足回りや硬派なスタイリングが、それなりにドライバーを熱くしたもである。

 そんなダコタは、それ以降もオーナーさんの手厚い整備のもと元気に走り回っていたのだが、そろそろいくつか気になる箇所もあって今年に入りドック入り。で、メンテ&チューニングを受けることになったのである。

 手に入れた時はちょっとボロめの中古並行車だったダコタだが、その後自分仕様にいろいろ手を加えていくうちに愛着が湧き、今や、キロ数に換算すれば20万キロ走行車。というわけで、エンジンを含めたオーバーホール等も検討され始めたのである。

 「実際には、エンジンオーバーホールというよりは、年々ちょっとずつ落ち込んでいる気がするエンジンパワーを何とかしたいという気持ちが大きかったですね。時速100キロくらいからの追い越し加速がだいぶキツくなりましたから。前車をまったく抜けないんです(笑)。最初はエンジン載せ変えとか、スーパーチャージャー装着とかも検討しましたが、レーストラックの高橋氏と相談して、カムの交換をお願いしたのです」とはオーナー氏。

搭載される3.9リッターV6エンジンも、もはや相当の距離数を走ったことによって疲労感が出てきていたことも予想され、カムの交換とともにオーバーホールが行われることになった。

ドック入りして早速エンジンを降ろす。写真はエンジンを降ろした状態のエンジンルーム。

降ろしたエンジンを台座に載せ、そこからまたパーツをひとつひとつ外して、分解作業を行って行く。写真は分解後のブロックを上下から見たもの。

中低速トルクを一段とアップさせるカム採用

 カムの交換とは、エンジン内部のカムシャフトを社外品に交換することで、カムアプローチの変更を行い、バルブの開タイミング、時間、量を変えてしまい、エンジンの性格をまるっきり換えてしまうことが可能なのである。
 しかも今回のダコタには、すでにへダースやマフラーが入っていることもあり、それらパーツとの複合作用も見込めるのである。

 「本来、カムの交換といえば高回転型を意味すると思うかもしれませんが、実際には、そのクルマの求める領域での性格付けが可能ですので、それに応じたカムのセッティング依頼を本国にオーダーしました」とは高橋氏。

 今回ダコタに応じてオーダーされたカムは、ダコタ本来の持ち味である中低速トルクを一段とアップさせることを目的としたカム。マックストルク1500〜3000rpm、最大回転数4500rpm程度を想定したもの。

 カムオーダーに関しては、レーストラックの高橋氏が、これまでの経験と実績を踏まえて本国オーダーしたものであり、1台1台車輌に応じたセッティングが可能というから素晴らしい。

右が純正で装着されていたカムシャフト。左が今回のセッティングで本国オーダーをかけたカムシャフト。

本国オーダーをかけた際の書類の一部を見せてもらった。オーダー用紙に数字を記入し発注。カムの数字はレーストラックがこれまでに行ってきた作業から得た経験値によるもの。

中低速アップということで、ハイカムではないので、カムのリフト量はノーマル比でもそれほど大きくはなっていない。そのため、元のエンジン内部を加工することなく、そのまま交換装着することができる。

クルマによってはエンジンヘッド部分だけを外し交換することが可能だが、ダコタに関してはヘッド部分の脱着にての作業は不可能だったために、エンジンを降ろしての作業となったのである。それを見越してのカム交換とオーバーホールとなったのである。

カム交換とエンジンオーバーホールで一石二鳥

 「カムを交換するもうひとつの意味が、エンジンを降ろして作業することになるんですが、それによってエンジン内部の状態を確認することができるってことですね」

 このダコタはすでにかなりの距離を走っていることもあり、そういった意味での内部確認は、たとえばピストンやピストンリング、さらにシリンダーヘッド内の状態が確認でき、この先考えられるであろう圧縮漏れなどの予防ができるかもしれないということ。つまり、かむ交換とエンジンオーバーホールの一石二鳥という考えである。

 「最近は、簡単にエンジン載せ変え、中古エンジン購入といった風潮があり、そうして手に入れたエンジンの調子が悪く、さらに再度オーバーホール! なんてことが結構あるんですよね、実際に(中古エンジンの状態だってどんなもんかは分からないですし、正直当たりハズレもあるでしょう)。

 ですが、これまで自分が乗ってきたエンジンをオーバーホールすれば、まあ当然それなりの知識と技術を持っているショップでの作業が前提になりますが、またそのエンジンが生き返るわけですから、さらに愛着を持って楽しめると思うんです。
 このダコタのオーナーさんは、すでに20万キロ乗っているわけですから、で、さらにエンジンを何とかしたいというわけですから、『安易に載せ変え』なんて私には言えませんよ。このエンジンを生き返らせて、出来る限り思い描いたパワーを持たせてやるだけです」

 というわけで、ドック入り後即座にエンジン、各部補記類が外され、エンジンも降ろされた。この後、エンジンが分解され、各部チェックとオーバーホール、さらに新しいカムの装着が行われて行くのである。

取り外されたピストンを見てみると、カーボンが堆積していることがわかる。これらをきっちり落としてクリーニングされる。またピストンリングやオイルリングも新品に交換される。

エンジンブロックのシリンダー内壁をひとつずつ確認中。この内壁にはピストンとシリンダーが擦れ合う際に必要なオイル潤滑の「クロスハッチ」と言われるキズが必要であるのだが、距離を乗ることでそのキズがなくなっていくという。で、そのキズがなくなっている場合は、オーバーホール時に再度キズを復活させる必要がある。その確認中。

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