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フェイスチェンジモデル登場が起爆剤に?

クライスラー300 (CHRYSLER 300)

いまだに旧型人気が衰えず

誰もが知っているクライスラー300ではあるが、知っているのはもちろん旧型モデルであって、現行モデルではない。というのも、旧型モデルのインパクトが強すぎたと同時に、現行のインパクトが弱すぎるからである。そして新たに2015年モデルが発表された。あのインパクトは戻ったのか?

更新日:2014.12.02

文/椙内洋輔 写真/クライスラー

2005年に登場した理想のスーパーセダン

 2005年に登場したクライスラー300は、そのクラシカルなキャラクターとマッスルカー的な爆発力を兼ね備えた理想のスーパーセダンとして世界中で注目された。そして陸の王者になった。

 ボディはボックス的なスタイルを基本とし、ウエストラインより上を詰めたチョップドルーフ的なプロポーションがクライスラーのデザイン的な力量を示し、「重厚かつワイルド」なアメ車をモロに具現化した1台だった。現に日本でも確実に売れ、いわゆる他メーカーの外車オーナーをも引き込んだカスタム合戦をも引き起こす存在だった。

 このドスの利いたスタイリングは、アメ車の株を上げた逸品とも言われ、ここ数年続いた懐古主義的なアメリカンマッスルのデザインとは一線を介した「奇跡の1台」との称賛の声が絶えなかったのだ。

 だが、2011年に登場した現行300は、実車を見ると車両のオーラというか迫力というか、威圧感みたいなものが旧型ほどには感じられない。逆に洗練された魅力というか何というか、高級感を感じさせるクルマに進化していたのである。

 とくにリアの造形は、ひと目見て現行300と分かるもので、非常に斬新かつ特徴的。それとボディサイドのフェンダーが、まるで某車のごとくな膨らみで、このボディラインの抑揚がこれまた高級然とした現行300の特徴に華を添えている。

 だが…。クライスラー首脳陣が考えたほど、ユーザーたちは300に高級感を求めていたわけではなかったのだろう。どちらかというと、ちょっとヤンチャな、そして時に暴力的なまでのパワーを発するマッスル的なセダンを求めていたはずである。だからこそ、ベンツ、BMW買わずに300に飛びつき、数百万円もかけてカスタムして楽しんでいたのだろうし。

 ところが、現行300が目指したものは、高級車としての資質を高めることだった(イタリア的洗練を加えて)。すなわち、旧300から現行300への乗り換えがスムーズに行われるわけがないのである。現行300は、確実に旧300を上回るパフォーマンを持っているにもかかわらず、なのに。

 恐らく、全体的な雰囲気だけでなく、デザイン的な部分、とくにフロントマスクの印象が良くないのだろう。旧型ほどのわかりやすさがなくなってしまったのが寂しい。物はいいだけに…。

リアから見ると普通のセダンである。だが、フロントの迫力とチョップドルーフ的なプロポーションは、300特有のデザインであり個性でもあった。

しかもV8HEMIエンジン搭載など、マッスルカーとしての魅力を兼ね備え、カッコ良く、かつ速くてしかもワイルドとなれば、それこそ現代版アメ車の理想型として人気を博したのである。

とはいえ、このクルマにも弱点がないわけではなかった。それがインテリアの質感である。質素極まりないインテリアが、他メーカーからの乗り換え組を満足させることができなかった。

コンセプトが変わってしまった2011年登場の2代目

 個人的には、現行モデルがどんなに良くなっても、旧300のV6モデルがいまだにお勧めだと思っている(V8 SRTも捨て切れないが)。

 旧型には、異様なほど魅力的かつ硬質なボディに、固められた足回り、そして快音を発するパワフルなエンジンなど、非常に分かりやすい美点がたくさんあった。底が浅いとも言えるのだが、一方でアメ車にはその「単純さ」こそが必要だとも思っている。しかも旧型は、アメ車業界のみならず、カスタム業界全体をも巻き込んで「陸の王者」となったのだから。

 V6なら、中古車としての「ヤレ」が少なく、あのボディの硬さも十分残っているだろう。そして消耗品を交換し、ショックを社外品のしなやかなものにカスタムして、まだ予算があればタイヤとホイールを交換する。これだけでも今後10年、十分に乗れるだけのクルマに仕上がるはずだ。

 今なら外装だけSRT仕様にカスタムして、サラッと乗りたい。あのベントレーオーナーをも振り向かせるオーラこそが、この旧型の最たる魅力なのだし。

 ちなみに旧型モデルには、V6、V8、V8 HEMIとバリエーションは豊富である。SRT8用の6.1リッターV8 HEMI(後期モデルは6.4リッター)は、アクセルを踏み込んだとたんにケツを蹴飛ばされるようにダッシュする。そして2500rpmくらいを境に、溢れるようなトルクの洪水に変わっていくその様は、誰もを虜にするだろう。

 だが中古車としての今のお勧めは、あえてV6である。驚くほど速くはないが遅いわけでもなく、デザインと価格のバランスを見事に両立しているからこそ、ある程度手を加えるだけで十分に浸れるだろう。

2011年に登場する現行300は、旧モデルのマイナス部分の強化ということを期待したが、ボディデザインからすべてにおいて変化してしまい、しかもコンセプトまで変わってしまった。そして2015年型のフェイスチェンジモデルが登場した。

そして最終モデルとなる3代目が2015年に登場

 11月中旬に行われたロサンゼルスオートショーに2015年型の新300が発表された。恐らく誰も期待していなかったというのが本当のところだろうが、新型は、デザイン的な勢いを戻してきたと思えるような存在になった。

 原点回帰とまではいかなかったが、新型は初代と2代目とを足して二で割ったようなデザインになり、特にフロントグリルを大型化することで、迫力が戻ってきたと言っていい。

 基本的な構成はV6ペンタスターとV8HEMIとで変わらず。それらを8速ATで駆動することも変わらず。ただし、3.6リッターV6には「300S」が加わり、若干パフォーマンスがアップしたモデルのチョイスが可能になった。

 身にまとうエクステリアの印象が変わっただけに、今後300の躍進にも期待が持てる。まだ全くの未知数だが、SRTモデルやヘルキャットのようなスーパーモデルが出れば、再び夜の帝王に復活する日も近いかもしれない。

 ちなみに、この新しい300のデザイン系譜は、このモデルで終了と言われている。2018年以降に登場するであろう、さらなる新型はまったく新しい存在として生まれ変わる。恐らく、よりイタリア化したセダンだという想像はつくが(現フィアットとの絡みを考えれば当然の流れ)。
 
 ということで、最後の300として登場した2015年型クライスラー300は、果たして人気回復の起爆剤となるのか? 期待したい。

2代目で質感は大きく変わって良くなった。ハンドリングや乗り心地等も格段に進化した。だがデザイン的なコンセプトが変わってしまったが、この3代目で再びテコ入れをおこなった。迫力が加わったこのデザインは、300の最終型となる。

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