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BCDのビンテージ部門が直接買い付けた1台

1956 フォード サンダーバード (FORD THUNDERBIRD)

映画「アメリカン・グラフティ」に登場したそのものだった

1956年型のサンダーバードを取材した。この車両は、3年間のみ生産された初代サンダーバードの中でも貴重な存在だった。さらにBUBUのBCDが仕入れた旧車=ビンテージは、かなり手間のかかる仕入れをしているが、だからこそのコンディションを有していることも同時に分かったのである。

更新日:2014.09.19

文/細村智博 写真/兵藤冬樹

取材協力/BUBU横浜 TEL 045-923-0077 [ホームページ] [詳細情報]

C1に対するフォードの回答がサンダーバード

 初代サンダーバードを語るには、必ずや当時ライバルとされたC1コルベットの名を出さなければならない。戦後、アメリカで一大ブームとなった欧州製スポーツカーに対抗して、GMは1953年にシボレーコルベット、通称C1を発売したが、そのC1に対するフォードの回答がサンダーバードだった。

 1955年、C1より2年遅れて登場した、スタイリッシュな2ドアロードスターボディにV8エンジンを搭載したそれは、直6エンジンを搭載していたC1に対する明らかなアドバンテージだった。

 この初代サンダーバードが造られたのは1955年から57年のわずか3年間だったが、それでも歴史に名を残すほどの、抜群の知名度がある。だからこそ後に、フォード自身がこのモデルのリバイバル車を登場させたのだろう。

 搭載されたエンジンは、292cuinV8、さらには312cuinV8、そして超レアな312cuinスーパーチャージャー。どれも当時としてはパワフルなエンジンであり、312cuinスーパーチャージャーは当時のモータースポーツにも使用されたほどだった。

搭載されるエンジンは、56年型ではオプションだった312cuinV8。225hpを発生させるそのパワーユニットは、3速ATと組み合わされる。ちなみに手前に見える赤い袋のようなものは、当時の純正のウインドウオッシャーのリザーバーである。

当時の雰囲気を伝えるホワイトリボンのタイヤに15インチホイールを装備する。ホイールのコンディションもかなりの状態。ちなみに当時はワイヤーホイールカバーもオプションでチョイスできたらしい。内部のブレーキはディスクに換装されている。

映画に登場した劇中車そのものだった

 このクルマは、BUBUの仕入れ担当者がC1の買い付けに行った際に、たまたまガレージの中でカバーがかけられた状態で置かれていたものを見つけて手に入れた。交渉相手の方曰く、「姉夫婦から譲り受けた1台」ということで、見るとあまりのコンディションの良さに「是非、これも買いたいです」と、即決したほどだったという。

 詳しく調べると、劇中車だったということで、当時の資料が添付されており、ダッシュボードのグローブボックスを開けると、そこには当時の出演者たちのサインがずらり。そう、このサンダーバードは映画『アメリカン・グラフィティ』に登場したサンダーバード、そのものだったのである。

 車両は1956年型でオプションの312cuinエンジンを搭載したもの。3速ATと組み合わされ、ブレーキのみディスクにコンバージョンされているが、それ以外はフルノーマル車。しかもレストア済み。

 不思議なもので、というか歴史的なものもあるのだろうが、アメリカではこういった旧車に数千万円かけて現存させようとする文化がちゃんと根付いている。日本ではちょっと考えられないだろうが、こういった旧車に存在価値を持たせているからこそ、またそれを維持させようとするオーナー、ファン、ショップ、メーカー…とが一体となって、アメリカの自動車文化が今も構成されているのだと思う。

細身の華奢なステアリングに3速ATのシフトノブや各所メーター類&スイッチ類は当時のままのオリジナル。各部の動作に問題はなく、現存する車両としてはかなりの優良個体であることが、すぐにわかる。正直、走らせるのが怖いほど、キレイな個体だった。

シートも同様に当時の雰囲気を残すベンチタイプのレザーシート。カラーリングや感触等は、いわゆる50Sそのもの。当時のサンダーバードは、C1に対するライバル的な存在と唱われているが、実際に見たところ、過激なスポーツカーというよりは、より優雅なロードスターという雰囲気が充満しており、全体的にゴージャスな印象で満たされている。

映画『アメリカン・グラフティ』とは、1973年に封切りされた映画。監督、脚本は若かりしジョージルーカスであり、60年代に生きる若者の一夜物語を映画化した青春映画である。このサンダーバードは、その映画に登場した、本物の実物である。

「仕入れたまま」の状態に驚く

 このサンダーバードは、BUBUのBCDにより輸入されたものだが、BCDの旧車部門は、あえて決まった車両のみを販売するということではないというから面白い。すなわち、GM専門とかフォードオンリーとかモパーとかいう縛りはまったくなく、あくまでコンディション優良の旧車を販売するというのがポリシー。だからこそ、彼らは「ビンテージ」と呼び、歴史を感じさせる、そのものの姿を有した名品を輸入し、販売するのである。

 しかも車両は、直接日本人のバイヤーが現地に飛び、しかも個人から買い付けるという。それにより、日本人の目で見た車両把握と、また直接交渉することでオーナーさんを見る事ができ、それも「車両の状態を把握する事と同じくらい大切なこと」とのコダワリを貫いている。すなわち、情報を得て実際に足を運び、コンディションに納得できなければ何も得ずに帰国する事もしばしばという。

 BUBU横浜の店内には、そうしたコダワリのビンテージが数台展示されているが、驚いた事にどれも「仕入れたまま」というから痺れる。正直、「こんなクルマ(程度が良い)まだ売ってるんだ」と言葉が出ないほど状態が良さそうなものばかりである。

 ちなみにこのサンダーバードは、じつはすでに売約済みとなっており(すぐに売れてしまった)、C1コルベットを所有しているオーナーのもとに嫁ぐための最終準備段階に入っているという。

後部視認性向上のために開けられた「ポートホール・ウインドー」と呼ばれるハードトップの丸形な小窓は、56年モデルから適用された。リアのコンチネンタルスタイルも含め、56年型だけのスタイルとなる。

このテールフィンにヤレラるオーナーも多い事だろう。ちなみに、リアバンパーに装備されるコンチネンタルキットは、トランクのスペースを増す有効な技だが、実際にはハンドリングに影響を及ぼすというこで、56年のみ適用され、57年ではまた内部収納されるようになっている。

BUBU横浜のショールには、仕入れたままの状態のビンテージが常に展示される。だが、すべてにおいて1台ものであるからこそ、一期一会の出会いである可能性が高い。

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>> 2002 フォード サンダーバード を見る

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